無免許運転で逮捕・勾留されたものの、私選弁護人として選任され,勾留に対する準抗告を行い、早期釈放を実現した事例。
Tさんは、コンサル会社の経営者です。Tさんは、取引先との面談のためによく車を使っていましたが、実は、数年前に免許の取り消しを受け、無免許の状態でした。
無免許の状態となってから、2年もの間、Tさんは、仕事のためにやむを得ないとして、無免許運転を継続していましたが、交通事故に巻き込まれ、無免許運転が発覚。現行犯逮捕されるに至りました。
Tさんは、逮捕後、「2~3日で出られるだろう」と甘く見積もり、私選の弁護士を入れずにおりましたが、勾留まで認められてしまい、10日間の勾留が裁判所に認められてしまいました。Tさんには、勾留後に国選の弁護士がつきましたが、「最大20日は拘束が続く」としか説明してくれず、早期釈放の努力をしてくれるのか不安が残る状況でした。そこでTさんは、自身の仕事への影響を最小限に抑えるため、当事務所の弁護士を私選弁護士として選任しました。
当事務所の弁護士は、接見後、勾留に対する準抗告をするという方針を決定し、本人の誓約書、また家族の誓約書を取得し、勾留決定が不当であることを示す書面を作成し、即日で裁判所に提出しました。
裁判所は、翌日(勾留2日目)、勾留に対する準抗告を認め、勾留決定を取り消しました。Tさんは、その日に無事に釈放されました。
その後、任意の取り調べは行われましたが、Tさんの処分は罰金で終わり、無事に仕事にも復帰をすることができました。私選弁護士を選任し、徹底的に戦うことによって、早期釈放を実現することができた事例です。
当事務所は、道路交通法違反事件も数多く取り扱っておりますので、家族が逮捕された、ご自身が逮捕されるかもしれないなど、お困りの方はお気軽にご相談ください。
交通事故についてよくある質問
人身事故、死亡事故 所有する車を運転中に、居眠りしてガードレールに衝突するという自損事故を起こしてしまいました。この事故により、私と同乗者である妻及び友人の3人ともケガをしてしまいました。自賠責保険による保険給付はありますか?
友人及び妻にも原則として給付はありますが、運転者本人に給付はありません。
自賠責法によれば、同法による保障を受けるためには、被害を受けたものが「他人」であることが要件とされています。「他人」とは、「自己のために自動車を運行の用に供する者及び当該自動車の運転者を除くそれ以外の者」とされていますので、運転者本人には適用がありません。友人は、好意(無償)で同乗していたとしても「他人」にあたります。妻については「夫が専らその運転にあたり、自動車の維持費を全て負担し、他方、妻は運転免許を有しておらず、事故の際に運転補助の行為をすることもなかったなど」の事実関係であれば「他人」に当たるとした裁判例があります。
ただ、自損事故の場合、事案によっては「他人」性が問題となることがありますので、具体的事案に応じ弁護士に相談することをお勧めいたします。
人身事故、死亡事故 事故当時、60歳で定年退職したばかりで無職でした。61歳で症状固定して後遺症等級が10級と認定されました。なお、私は大卒で退職時、定年延長請求はしなかったのですが、退職して1年くらいはゆっくりしてそれから求職する予定でした。この場合、休業損害と後遺症による逸失利益は請求できるのでしょうか。できるとした場合、請求額算定の基準はどうなりますか?
休業損害は請求できませんが、逸失利益は請求できるものと考えられます。
まず、休業損害についてですが事故当時、現に無職ですし、働く予定もなかったようですので損害はなく、請求できません。
次に逸失利益ですが、高齢者・無職の方については就労の蓋然性があれば、これを認める裁判例が多数存在します。本件では、就労する意思も能力もあったものと認められますので、逸失利益の請求は可能だと考えます。その際の算定基準としては、労働能力喪失率は後遺症等級10級で27%として、61歳の就労可能年数を11年、基礎収入を賃金センサス男大学・大学院卒60歳から64歳となるものと考えられます。
人身事故、死亡事故 バイクで右折しようとしたところ、直進する自動車と衝突し、大けがをしました。損害賠償請求における示談交渉において、相手方からこの事故の過失割合について、私の過失割合が7割以上あると主張されています。この場合、過失割合は自賠責保険の給付金額にも影響があるのでしょうか?
自賠責保険における被害者の過失相殺は、被害者の損害補填の最低限の救済の観点から、法的な過失割合では処理されていません。すなわち、被害者の後遺症または、被害者が死亡した案件では、被害者の過失割合が7割未満では減額を行わず、7割以上8割未満であれば2割を、8割以上9割未満であれば3割を、9割以上10割未満であれば、5割を保険金額から減額することとされています。また、傷害案件では、7割以上の過失で2割減額、ただし、減額により20万円以下となる場合は、20万円が給付されます。
ですから、訴訟で大幅な過失相殺が予想さる場合には、訴訟での認容額が自賠責保険金を下回ることがあり得るので、訴訟前に被害者請求をする方が得策です。