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盗撮の罪を不起訴にするためには?


盗撮被害とは?

盗撮とは、一般的に、「被写体となる人間の了承を得ずに、勝手に撮影を行なうこと」をいいます。ただ、このような場合すべてが刑事事件として捜査を受けるわけではなく、『正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であって、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること』と定義されています。

盗撮で”有罪”になるとは限らない

つい出来心でしてしまった盗撮。
盗撮が発覚し逮捕されてしまったら、全てが終わってしまったかのような不安と絶望感でいっぱいになるでしょう。
事件の内容など、犯罪の性質によっては、起訴・有罪判決・実刑というような流れを避けられない場合もあります。しかし、必ずしもそのような形ばかりだとは限りません。
盗撮事件に強い弁護士に相談することで、不起訴となる可能性があります。

→盗撮で逮捕される?罰則や弁護士を呼ぶ方法について

不起訴処分になる可能性がある

刑事法上では、犯罪によって刑罰に軽重があります。盗撮は、殺人事件などの重罪に比べると比較的軽微な事件といえます。もちろん全ての犯罪行為はしてはいけないことですが、刑事法上では、犯罪によって刑罰に軽重があります。
裁判所で”刑事裁判にかける必要がない”と判断された場合に「不起訴処分」を下すことになります。

不起訴処分とは?

逮捕された後、身柄は検察官に送致され、「刑事裁判にかける必要があるかどうか」を判断します。すなわち「起訴」するかどうかを決定します。
刑事裁判にかける必要があると判断した場合は「起訴」をして、刑事裁判を開廷するように裁判所に請求します。
これに対して、「起訴をしない=検察官が裁判所に対し訴えを起こさない」と決定した場合「不起訴処分」を下すことになります。

どのような場合に不起訴処分となるのかは内容によってさまざまです。
犯罪事実はある可能性はあるが、裁判にかけるほどのものではないと判断される場合もあれば、そもそも犯罪事実がなかったと判断される場合もあります。

不起訴になると前科はつかない

盗撮事件のような比較的軽微な事件で不起訴処分になった場合、刑事裁判は行われません。検察官にこの判断をさせることができれば、不起訴処分となった時点で釈放され、前科がつくこともなく、普段どおりの社会生活に復帰することができます。
そのため、「前科=刑事裁判において有罪判決を受けた記録」はつきません。

しかし、警察から連絡を受け取調べなどを受けた時点で、捜査の対象となっており、「前歴」の記録は残ります。
前歴は日常生活を送っていく上でデメリットはほとんどありませんが、前科がついてしまうと、内容によっては資格を制限されてしまう可能性があります。

不起訴になるためには示談が重要

盗撮事件には、必ず被害者が存在します。被害者と示談が成立していることが不起訴になるための重要なポイントとなります。
示談が成立するということは、つまり被害者が事件を終了させる意思があるということを意味します。
盗撮事件が軽微な犯罪であることから、被害者の意思内容は捜査機関の判断に大きく影響するため、示談を成立させることが極めて重要になります。

その他:不起訴になるためのポイント

「盗撮事件=不起訴」ということではなく、必ず不起訴処分を獲得できるというわけでもありません。
不起訴処分に近付くためには、少なくとも一定の要素が備わっている必要があります。

・初犯であること
盗撮事件をおこしたのが初犯であれば不起訴処分を獲得できる可能性が高まります。複数回盗撮事件をおこしている場合と比べて、許されやすくなりそうなイメージは簡単につかめると思います。

・罪を認め反省をしていること
盗撮をすることは断じて許されるものではありませんし、性犯罪は依存性が高く、再犯率が高い犯罪です。
客観的な証拠がしっかりそろっているのに自ら罪を認めない姿勢を貫いていると、残念ながら不起訴処分からは遠ざかってしまいます。
どれだけ軽微な犯罪であるとは言っても、簡単に身柄を解放して、再び犯罪に走られると捜査機関も面目を保つことができません。
不起訴処分を獲得したいのであれば、自らの罪を認め、真摯に反省する姿勢を見せることが重要でしょう。

⚠︎そもそも盗撮行為をしていない⚠︎
実際には盗撮はしておらず、冤罪で逮捕されてしまった場合もあります。
盗撮行為をしていないのに逮捕されてしまった場合には、弁護士に盗撮行為をしていない証拠を集めてもらい、“証拠が不十分のため無罪の可能性が高い”などを主張して、不起訴獲得を目指していくことになります。

起訴を回避するためにすべきこと

盗撮の証拠となるものや、問われる罪などをご説明しましたが、後日逮捕されないためにできることはいくつかあります。

自首する

後日逮捕されないためには、自首することも重要になります。

被害届が出されていて犯人が特定されていないときに自首した場合は、刑法により減刑できると定められています。

また逮捕には逃走の恐れがあることが重要なポイントになってくるため、逃走の恐れはないと示すことができ、有効です。

しかし、捜査が始まっていない盗撮事件について自首をしてしまうと、必要のない自白となってしまう可能性もあるため、一度弁護士に相談することをおすすめします。

示談交渉

被害者がわかっている場合は、示談交渉をしてしっかりと示談金を支払うことで、不起訴処分を獲得する方法もあります。そのためには、被害者と交渉をする必要がありますが、加害者と交渉をしてもいいと思う人は多くありません。

そのため、第三者である弁護士を介し、被害届や告訴状の提出を止めてもらう、もしくはすでに出しているものを取り下げてもらう事で、起訴を回避できる可能性が高くなります。

盗撮事件の慰謝料(示談金)の相場

盗撮事件の加害者となった場合に、請求される慰謝料(示談金)の相場は10〜50万と言われています。

そもそも「慰謝料」とは、犯罪行為によって被害者が受けた精神的苦痛に対して支払われるものです。

被害者は、見ず知らずの人から盗撮をされた恐怖心や、そのデータを悪用されるのではないかと不安感といった精神的苦痛に対して、慰謝料を請求できます。

モノを壊してしまった、怪我をさせて治療費が発生した等のケースは、損害の金額が比較的わかりやすいものですが、被害者の精神的苦痛は簡単には計れないものになります。

弁護士を呼ぶには

弁護士を呼ぶといっても、どうしたら良いのかわからない方が多いと思います。また、誰でもいいとは限らず、できるだけ刑事事件に詳しい人を呼びたいものです。逮捕されてしまった時に覚えておきたい、弁護士の呼び方をご紹介します。

①当番弁護士を呼ぶ

先述したように、誰でも弁護士をすぐ呼べるわけではない状況から「当番弁護士制度」が設けられています。

日本全国にある弁護士会が設けているサービスで、逮捕・勾留されている被疑者が無料で一度だけ弁護士と接見できる制度になります。そこで、取り調べの受け方や進め方など、法的なアドバイスを受けることができます。

この制度は、警察官・検察官・裁判官に「当番弁護⼠を呼んでください。」と伝えることで、派遣してもらえます。当番弁護士と会うまでは、自分に不利な状況とならないよう黙秘権を行使していることも可能です。

②国選弁護人に依頼する

先ほど説明した当番弁護士は、一度だけの接見となります。それ以降にも弁護士のサポートを受けたい場合は、正式に依頼し、私選弁護士を雇う必要があります。
しかし、弁護士を雇うには費用もかかり、難しい場合もあります。
そんな時に、「被疑者国選弁護人制度」というものがあり、原則として弁護費用を国が負担してくれる「国選弁護人」がいます。

国選弁護人に依頼するには、「銀行預金などの資産の合計が50万円以下」や「誰に依頼するかを選ぶことはできない」という条件がありますが、条件を満たした場合は、継続して依頼することが可能です。

しかし注意が必要な点は、国選弁護士に依頼できるのは、「勾留が決定した後」というところです。逮捕された後すぐに弁護士と接見したい場合は、当番弁護士を派遣してもらうことになります。

弁護士へ早めのご相談を!

盗撮事件=不起訴処分、ということでもありません。「刑事裁判にかけるまでの必要はない」と判断されるためには、一定の要素を備える必要があります。
それには弁護士に相談し、示談交渉をスムーズに進めることなど、素早い動き出しが重要になるといえます。
弁護士のアドバイスを受けてより良い対応をすることで、不起訴処分になる可能性が高くなります。

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