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弁護士コラム

自己破産で免責不許可になってしまった!どうすればいいの?

債務整理
2019.06.12

免責不許可って?

破産をする際には、破産手続きと、免責手続きの二つを行う必要があります。破産手続きは、今あなたが有している財産を、債権者に平等に分け与える手続きで、免責手続きは、財産がもうないので、債権者に対しては破産手続きで支払った財産以外の返済を免除してもらう、という手続きです。

 

どういう場合に免責不許可となるの?

 

免責不許可事由に該当する場合には、免責が許可されないことがあります。

 

免責不許可事由は、以下の通りです。

 

①不当な破産財団価値減少行為

財産を隠したり壊したりして、財産の価値を減少させた場合がこれにあたります。

 

②不当な債務負担行為

クレジットカードで勝った商品を決済が済まないうちに売却して代金を債務の返済に充てるなどの行為がこれにあたります。このような行為は、債務を増加させるため、免責不許可事由となります。

 

③不当な偏頗行為

偏頗は「へんぱ」と読み、偏っていて不公正、という意味です。ある債権者のみに対して返済期限前に返済を行うことなどがこれにあたります。債権者間の公平を損なうため、免責不許可事由となります。

 

④浪費または賭博その他の射幸行為

ギャンブルに借金をつぎ込んだような場合はこれにあたります。いわゆる浪費等の分不相応な借り入れをした場合に、この免責不許可事由にあたります。

 

⑤詐術による信用取引

申立前1年以内に自分に資産があるように装って借り入れをした場合などがこれにあたります。このような行為は債務者の不誠実な態度の表れといえると同時に、債権者の与信調査を妨害したということで、免責不許可事由にあたります。

 

⑥帳簿隠滅等の行為

帳簿などを偽造する行為がこれにあたります。帳簿や行羽状の書類などに嘘を書いて偽造することは、破産者の財産の管理を困難にすることから、免責不許可事由とされています。

 

⑦虚偽の債権者名簿提出行為

架空の債権者を債権者一覧表に記載するなど、虚偽の債権者一覧表を提出する行為がこれにあたります。誤って債権者の抜けがある一覧表を提出するなど、債権者を害する目的がない場合には、免責不許可事由には当たりません。)調査協力義務違反(破産手続きにおける調査で虚偽の説明をする行為などがこれにあたります。

 

⑧管財業務妨害行為

破産管財人の職務を妨害する行為などがこれにあたります。

 

⑨7年以内の免責取得など

前の免責許可決定の確定から7年以内に再度の免責許可申し立てした場合は、免責許可はもらえません。

 

⑩破産法上の義務違反行為

説明義務、重要財産開示義務などの違反がこれにあたります。破産手続きのな進行を妨げるためです。

 

免責不許可事由に当たっても、裁量免責されることがほとんど

免責許可手続きを行った場合には、①免責許可決定、②免責不許可決定、③申し立ての却下・棄却、④申し立ての取り下げといった終着点を迎えます。

 

その中でも、②の免責不許可決定となるのは、全体の0.2%程度といわれています。そのほかにも、免責不許可決定以外の決定が出る場合は、全体の2%程度といわれておりますので、ほぼ免責許可決定が出ると考えて差し支えないでしょう。

 

自己破産の申し立てを行う債務者に「財産の隠匿」や「浪費」など一定の不正な態様が見受けられる場合は免責不許可事由に該当するものとして免責が出されないことになるのが原則です。

しかし、そのような免責不許可事由にあたる行為が認められる場合であっても、債務者の事情などを考慮して救済の必要性があると認められる場合には、特別に免責を認めてあげることも必要となりますので、例外的に裁判官の独自の「裁量」によって免責を与えることを許可する「裁量免責」の制度が設けられているのです。

もちろん、法律で裁判官の裁量によって免責を認める「裁量免責」の制度が認められているとはいっても、それはあくまでも例外的なものであって、免責不許可事由が存在する全てのケースで裁量免責が認められるわけではありません。

また、裁判官が安易な裁量免責を与えてしまうと「どうせ裁量免責が受けられるんだから借りれるだけ借りてしまおう」と安易な借り入れを繰り返すことを誘発することにもなりかねませんから、裁判官が裁量免責を検討する場合は破産管財人の厳重な調査を経たうえで慎重に判断することが不可欠となりますので、容易に裁量免責が受けられるというわけでもないでしょう。

しかし、自己破産の申し立てをする債務者は「払いたくても払えない」から自己破産の申し立てをしているわけであって、裁量免責も受けられないとなれば返済できない多額の負債を抱えたまま社会に放り出され、経済的な再建ができない状態で日常生活もままならない毎日を送るしかなくなってしまいます。

そうなると、解決するあてのない多額の負債を抱えた債務者が巷にあふれることになり、社会不安を増大させるだけの不都合な結果となってしまいます。

このような理由から、免責不許可事由のある案件であっても実務上、最終的にはできる限り「ほぼ100%」の確率で裁量免責が認められる取り扱いにされているので、自己破産の手続きで免責が認められない確率は「ほぼ0%」ということになるのです。

 

それでも免責不許可にされてしまった場合は?

もし、免責が不許可という最悪の結末を迎えてしまうと、借金の返済義務は残り、また借金生活に逆戻りです。そうすると、借金返済に追われて、取り立てに怯える毎日を過ごさないといけないのかというと、そうでもありません。免責不許可になった場合は概ね次の3パターンのどれかをたどることが多いです。

 

①即時抗告で不服を申し立てる

まずは、裁判所の決定に対して即時抗告をすることを検討しましょう。裁判所の決定に対しては不服を申し立てることが出来ます。自己破産でもこれは一緒で、免責不許可になった場合でも即時抗告して再度審査してもらうことが可能です。即時抗告とは、地方裁判所の決定に不服があった場合に、高等裁判所に再審査を請求する手続きです。判決書を受け取ってから、1週間以内に行う必要があります。ただし最初の決定が覆されることはあまりありません。

 

②個人再生へ目標変更

自己破産が不許可になった場合、個人再生をする道もあります。こちらなら、債権者の意見に左右されないため、借金の圧縮が認められる可能性があります。ただし個人再生は安定した収入がある人しか受けられません。借金を1/5ほどに減らしてもらって、それを3年で返していく制度だからです。無職の人は、就職するまで利用できまs年。

 

自己破産と違って個人再生は浪費などが理由の借金でもかまいません。浪費が原因で自己破産が免責不許可になった人には、うってつけの手続きです。

 

一方で、詐欺や計画的破産の疑いで免責不許可になった人は、個人再生でも借金の圧縮がされない可能性が高いです。この場合には、個人再生を選択するのはやめましょう。

 

 

③放置して時効を待つ

お金が返せないから自己破産の申請をしたのですから、返せないものは返せないですよね。

 

ということで、不幸にも不許可になってしまったらそのままお金を返さず放置して、最終的には時効を狙うという方法もあります。時効成立までの期間は5年ですが、訴訟をされて判決を出された場合には10年に延びてしまいます。

 

 

 

貸金業者の方も自己破産の申請が行われた時点で、債務者には返済能力がない、と判断し、諦めることが多いです。弁護士から介入通知が来た時点でもう取り立てはできませんから、その段階で貸し倒れとして処理する業者も少なくありません

 

自己破産が不許可になっても取り立てが再開されないという可能性はあります。その場合は、そのまま返済の催促がないまま5年が過ぎて時効成立します。

 

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