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弁護士コラム

破産管財人ってどういう人?

債務整理
2019.04.10

破産管財人は、破産者の財産を管理・処分し、免責調査等を職務として行う者です。

自己破産をした場合に必ず登場する、というわけではありませんが、破産管財人は、財産の換価・処分が必要な場合や免責調査の必要がある場合に裁判所が選任しています。

なお、破産管財人が選任される事件を破産管財事件といい、破産管財人が選任されない事件を同時廃止事件といいます。

以下、破産管財人の基本的職務・権限などについて説明していきましょう。

 

破産管財人の職務

破産管財人の職務は、大きく財産の換価・配当と免責調査に分けることができます。

 

財産の換価・配当等について

まず、財産の換価・配当について簡単に説明します。

ここでは概略の説明のみにとどめますが、この業務は破産管財人の中核的な業務の一つです。

 

財産の換価

破産管財人の最も重要な業務の一つが、破産者の財産の換価・処分と配当です。

破産者の財産の換価・処分というのは、基本的には破産者の財産を売却してお金に変えることをいいます。破産管財人は破産者の財産を処分し、十分なお金が集まれば、その金銭を後に配当に充てることになります。なお、念のため述べておくと、破産管財人は破産者のすべての財産を処分するわけではありません。

たとえば、当面の生活に必要な預金(20万円程度)であれば、換価処分の対象にはしません。また、古い年式の車両についても、換価しないこともあります。

どういった財産を換価し、どういった財産を破産者の手元に残すのか、という点は、破産者の重要な関心事のひとつですから、破産管財人・代理人と打ち合わせを重ねることが大切です。

 

財産の調査

また、破産者の財産を換価する前提として、破産管財人は破産者の財産を調査します。

たとえば、破産者の有している銀行の通帳の履歴等を確認して、破産者が裁判所に開示していない財産がないか、あるいは破産手続開始決定直前に、車や不動産の名義変更などがなされていないか、などを調査します。

また、調査のために、破産管財人には、破産者宛の郵便物がすべて送られます。破産管財人はこれもチェックして、破産者に隠れた財産がないか、などを確認します。

 

配当手続

破産者の財産の調査及び換価が終われば、破産管財人は必要な費用等を支弁したうえで、消費者金融などの債権者に金銭の配当を行います。

債権者は、配当によって債権の一部を受領することになります。

なお、破産管財人が選任された事件でも、破産者の財産が十分に集まらないことがあります。むしろ、自己破産の場合には、財産を集められないケースの方が多いでしょう。

そういった場合には、配当手続を経ずに、破産手続が終結することもあります。破産管財人が選任されたが、配当がなされない事案を、特に異時廃止事件と呼びます。

 

免責調査について

破産管財人の主要な業務のもう一つが、免責調査です。簡単に言うと、免責というのは、破産者の借金・負債をいわばチャラにすることです。免責が認められるか否かは、免責不許可事由の有無等によって判断されます。裁判所は、たくさんいる破産者から事細かに話を聞くことはできませんから、破産開始申立に際して、免責不許可事由がありそうな場合には、破産管財人を選任し、破産管財人に免責の調査を命じます。

 

免責調査を命じられた破産管財人は、破産者が開示した資料を精査し、破産者からも事情を聴取するなどして、ギャンブル等の免責不許可事由がないかを確認します。

 

免責調査を終えた破産管財人は、その結果を裁判所に報告し、裁判所に免責不許可事由があるか、あるいは免責が相当か(適切か)という報告・意見書を提出します。ほとんどの自己破産事件では、裁判所は、破産管財人の調査報告・調査意見を尊重し、破産管財人の報告・意見と同様の決定をしています。

 

つまり、破産管財人が免責が適切であるといえば、裁判所もその意見を尊重して、免責の意見を出すのが通例です。ですから、破産管財人に対して、免責許可をすべきであるという意思を、その根拠とともに伝えることが重要です。

 

破産管財人の権限

上記のとおり、破産管財人には、破産者の財産の管理・換価、配当、免責の調査等の重要な役割が与えられています。

破産法は、破産管財人がこのような役割を果たすことを可能にするため、破産管財人に非常に強い権限を与えています。

 

財産の管理処分権

破産管財人に与えられた一番重要な権限は、破産者の財産の管理処分権です。

管理処分権というのは要するに、破産管財人が破産者の破産手続開始決定前の財産を管理し、必要に応じて処分・売却等をする権限をいいます。

この権限に基づいて、破産管財人は銀行預金を解約したり、一定の金額以下の自動車を許可なく売却したりすることが可能です。

 

調査権限

その他、破産管財人には、破産者の財産や免責に関する事実を調査する権限が与えられます。

破産管財人は、当該調査権限に基づいて、破産者の郵便物を許可なく開封したり、破産者が自営業者であった場合の帳簿のチェックなどをすることができます。銀行に取引明細をもとめることも可能です。

破産者も、破産管財人の調査に対しては、協力・説明をしなければなりません。破産法上、協力・説明義務が課されています。

 

まとめ

破産管財人は、破産手続開始決定直後から、破産手続に関与し、財産の換価・処分、配当という破産手続の中核的な業務を担っています。

また、免責調査及び報告・意見書の提出を行う等できるため、破産管財人は、破産者にとって最も重要な関心事である免責についても強い影響力を有しています。

そのため、破産管財人には、上記の様な強力かつ広範な権限が与えられているのです。

 

申し立て代理人と、破産管財人は密に連絡を取って、免責が行われるように、破産者がどのような状況か、共有しておく必要があります。

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