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弁護士コラム

交通事故でペットの慰謝料は請求できるの?

交通事故
2019.04.01

わが子のようにかわいがっていたペットが、交通事故によって亡くなってしまったり、怪我をしてしまった場合、慰謝料は請求できるのでしょうか。

ペットは法律的には「物」である

交通事故によって「物」が壊れてしまった場合、買い替え費用や修理費用等の損害の賠償を求めることはできます。しかし、基本的には、「物」が壊れてしまったことに対する慰謝料は認められていません。違和感があるかもしれませんが、ペットについては、法律上、「物」として取り扱われるので、基本的には、ペットが亡くなった場合や傷害を負った場合であってもこれに対する慰謝料は認められていないのです。

なぜなら、物を壊されてしまっても、修理されることで損害が回復されることが通常なので、壊されたことよって被った精神的苦痛はそれほど大きいものではなく、慰謝料の支払いの必要はないと考えられているからです。

ただし、「物」の損壊についても、通常人においても財産的損害が補填されることのみによって回復されない程度の精神的苦痛を生じるものと認められる例外的な場合には、財産的損害以外に精神的苦痛に対する慰謝料請求も認めることができることはあります。

 

「ペット」に対する慰謝料が認められる場合

近年、ペットは、飼い主との交流を通じて家族の一員となり、飼い主にとってかけがえのない存在になっていることが少なくありません。そのため、そのようなペットが亡くなったり、死亡に匹敵するような重い後遺障害を残したような場合については、通常人においても財産的損害が補填されることのみによって回復されない程度の精神的苦痛を生じるものと認められるとして、慰謝料が認めらるケースもあります。

例えば、東京高裁の裁判例では、交通事故によって、家族同然の飼い犬が死傷したことによる精神的ショックにより、通院日数が増えたことを踏まえ、慰謝料として10万円を認めています。

また、名古屋高裁の裁判例では、交通事故により飼い犬が後肢麻痺を負い、日常的かつ頻繁に飼い主による介護が必要となったケースで、負傷の内容、程度、被控訴人らの介護の内容、程度等からすれば、慰謝料を請求することは可能とし、20万円の慰謝料を認めています。

 

ペットのほかに、「物」に対する慰謝料が認められるケース

ペット以外のケースであっても、「物」に対する慰謝料が認められるケースはあり、例えば以下のような事例があります。

 

①自動車が家屋へ飛び込み事故を起こした場合

店舗兼居宅として使用されていた建物に加害車両が突入したという事例で、まかり間違えば人命の危険もあり、家庭の平穏を侵害されたことによる有形・無形の損害は、財産的損害の補てんのみによっては、償いきれないものがあるとし、慰謝料として30万円を認めた大阪地裁の裁判例があります。

 

②墓石の損傷事故の場合

墓石等に加害車両が乗り上げ、墓石を倒壊し、埋設されていた骨壺が露出した事故において、一般に、墓地・墓石等は先祖・故人が眠る場所として強い敬愛追慕の念を抱く対象であり、侵害された物及び場所の特殊性を鑑みれば、墓石の損傷を損害賠償の対象になるとし、慰謝料として10万円を認めています。

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