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弁護士コラム

遺言書を見つけたらどうする?

相続問題
2019.03.11

遺言書は勝手に開封してはいけません。親の遺品を整理していたら、遺言書が出てきた。そんなとき、ついつい中身をみてみたくなるものですが、封筒に「遺言書」と書いてあり封がしてあったら、勝手に開封してはいけません。開封した場合でも遺言書の効力には影響しませんが、勝手に開封した場合、「これは偽造したものではなく、内容を書き換えてもいない」ということを証明することができなくなるからです。つまり、後々、遺産を分けようとした時に、他の相続人から、「中身をすりかえたのではないか」、「内容を付け加えたんではないか」と疑われて、トラブルになってしまうことがあります。また、登記所の登記実務では、後述する「検認」の手続を経ていない遺言書にもとづく相続登記申請は受理されない取り扱いをしています。
ちなみに勝手に開封すると、5万円以下の過料を科せられますので注意しましょう。

遺言書を見つけた場合の手続き

遺言書を見つけたら、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へもっていき、遺言書の検認という手続きを行います。まずは、遺言書検認申立書に必要事項を記入して申立をします。費用は1通につき800円の収入印紙と郵便切手が必要になります。申立を受けた裁判所は、相続人全員に対して、何月何日の何時から遺言書の検認をするという通知をします。したがって、申立人が、検認の申立の前に、戸籍などを集めて、相続人全員の住所などを調査しておく必要があります。なお、裁判所から検認のお知らせが届いたからといって、裁判所に行く必要はありません。実際には、申立人の代理人弁護士1人だけしか出席しないことも少なくありません。

検認の期日では、遺言書に封がしてあれば、これを開封するとともに、出席した相続人などに対して、裁判官から、遺言書は誰が保管していたのかとか、遺言書の筆跡は亡くなった方のものか、押印は亡くなった方のものか、等の簡単な質問をされます。代理人の弁護士しか出席していないときは、そんなこと聞かれても分からないので、「分かりません」とか「知りません」と答えて終わりです。この「検認」の手続きは、その遺言書が有効か無効かを判断するものではありません。相続人に対して遺言書の存在と内容を知らせ、第三者である裁判官が立ち会って、「こういう形状の、こういう内容の遺言書がありますよ」というのを明確にして、偽造・変造を防止する手続きです。検認が終わったら、10分くらいで裁判所の書記官が証明書を作ってくれますので(収入印紙150円が必要)、これを受け取ったら終了です。

裁判所の検認手続きを受けなくてもよい遺言

裁判所の手続きを要せず開封できる遺言で、「公正証書遺言」というものがあります。公正証書遺言は、公証人が遺言の作成に関わり、原本を公証役場に保管してあるので、偽造や変造の恐れがありません。そのため、公正証書遺言であれば、裁判官の立ち会いなど、面倒な「検認」の手続きも不要です。

病気等で遺言書が書けない場合

病気やその他の理由によって死亡の危急に迫った者が、次の要件を満たせば遺言をすることが可能です(一般危急時遺言)。

  1. 遺言者が疾病その他の事由によって死亡の危急に迫っていること。
  2. 証人3人以上の立ち合いがあること。※ただし、未成年者は証人になれません。また、遺言者の相続人になる方や、遺言によって財産を取得することになる方も証人になれません。これらの方々の配偶者や直系血族(祖父母、父母、子、孫など)も同じく証人になれません。
  3. 遺言者が証人の1人に遺言の趣旨を口述すること。
  4. 口述を受けた証人が、これを筆記して遺言者と他の証人に読み聞かせる、または閲覧をさせること。
  5. 各証人が筆記の正確なことを確認した後に署名し押印すること。

さらに、遺言をした日から20日以内に、証人の1人または利害関係人(例えば相続人です)から家庭裁判所に請求して確認(その遺言が、遺言者の真意に出たものかどうかを裁判所の調査官が調査します。)を受けなければ効力を生じません。また、「確認」は、上の方で説明した「検認」とは別の手続ですから、遺言者が亡くなったときは、「検認」も必要です。

ただし、その後病状が回復し、普通の方式(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3方式)によって遺言が出来るようになったときから、6か月間生存していれば、その効力は失われますので、注意が必要です。

まとめ

遺言書を見つけた場合には、裁判所での手続きが必要か、そうでないかの判断、裁判所への申し立て等、法律的な専門家に依頼した方がスムーズに相続手続きを行うことが出来ますので、一度弁護士にご相談されることをお勧めします。

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