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弁護士コラム

刑事事件における示談とは?

刑事弁護
2018.12.21

あなたが犯罪を犯してしまった、また、身内や知り合いが刑事事件を犯してしまった場合、どうすればよいでしょうか。被害者の方がいる場合、示談をすれば、刑が軽くなったり、身柄が解放されたりする可能性が高まります。今回は、刑事事件における示談について解説していきます。

示談とは

そもそも刑事事件における示談とはどういうことでしょうか?
示談とは、裁判によらずに当事者同士で事件を解決することをいいます。
刑事事件での示談で多いケースは、加害者に被害者に対してお金を支払う代わりに被害者が加害者に対する被害届等の提出をしないことや、既に提出した被害届等を取り下げることを約束するものです。
示談自体は刑事手続きではありませんが、前科を付けないためには重要となります。

示談交渉のやり方

刑事事件の示談に関して、必ずしも弁護士に依頼する必要はありません。もっとも、当事者同士の話し合いでは揉めやすいこと、弁護士が交渉のプロであることなどを考慮すると、弁護士に依頼することを検討されてもよいでしょう。
また、既に事件化しており、被害者が誰かがわかっていない場合には、被害者が誰であるかについて、弁護士から検察官等に問い合わせをする必要があります。よって、この場合には、弁護士をつけなければ示談をすることができないことになります。

刑事事件で示談するメリット

次に刑事事件で示談するメリットについて書いていきます。

示談できる犯罪類型

示談できる犯罪には、限りがあります。
暴行罪、傷害罪、迷惑防止条例違反(痴漢)、強制わいせつ罪、強姦罪、窃盗罪、詐欺罪、横領罪等が示談の対象となります。お分かりの方もいらっしゃるかもしれませんが、被害者がいる犯罪が示談の対象となります。例えば、覚せい剤使用等は、被害者の方がいらっしゃらないので、示談のしようがありません。

示談のメリット・示談できなかった場合のデメリット
刑事事件における示談のメリット
そもそも被害等を提出されることを回避できる

被害届とは、被害者等が捜査機関に犯罪事実を伝えた上で、犯人を刑事処罰してもらうよう求めることをいいます。示談が成立すれば、このように被害届を提出されることを回避できます。
また、例えば親族間の窃盗等は、親告罪といって、告訴がないと裁判ができない犯罪にあたります。そのため、告訴を回避することで起訴を回避できることになり、ひいては前科を付けることを回避することに繋がります。

既に逮捕されていたとしても釈放される可能性が高まる

示談が成立したということは、被害者としては犯人を処罰して欲しい気持ちが弱まっていることが推測されます。また、犯罪を行った方の反省も感じられます。警察も検察も、犯人の処分を決めるにあたっては被害者の感情を無視することはできません。
そのため、もし示談が成立しているということであれば、逮捕されていたとしても釈放される可能性が高まります。

逮捕されてしまったとしても不起訴になる可能性が高まる

釈放の場合と同様に、示談が成立しているということであれば、示談が成立していない場合と比較して不起訴になる可能性が高まります。

起訴されても実刑判決を回避できる可能性が高まる

裁判所も、警察や検察官と同様に、判決をするにあたっては被害者の感情を考慮します。そのため、示談が成立しているということであれば、示談が成立していない場合と比較して実刑を回避できる可能性が高まります。

実刑判決になった場合でも、刑が軽くなる可能性が高まる

仮に実刑になってしまったとしても、示談が成立しているということであれば、示談が成立していない場合と比較して刑が軽くなる可能性が高まります。

民事裁判で損害賠償請求されるおそれがなくなる

示談をすることで、示談金を支払うことになりますが、原則としてそれ以上損害賠償請求されるおそれがなくなります。

示談できず前科が付いてしまった際のデメリット

なれる職業が制限されてしまう

前科が付いてしまうと、国家公務員や地方公務員などの公的な資格の多くは前科が付いてしまうことで 所持している資格は停止となり 新たに資格を取得することもできなくなってしまいます。

親族が就職する際に不利益に働く可能性がある
企業に就職する際、企業は面接に来た方の素性を審査することがあります。
その際に、親族に前科者がいることが分かると就職に不利益に働く可能性があります。

刑事事件の示談を弁護士に依頼するメリット

被害者の連絡先を聞いて示談を進めていける可能性が高まる
痴漢などの犯罪の場合、被害者が連絡先を知ることができない場合が少なくありません。警察も検察も被害者自身が了承しなければ加害者側に被害者の連絡先を教えることができないのですが、特に性犯罪の被害者としては加害者に連絡先を知られたくないので、加害者への連絡先の伝達を了承することはありません。そのため、被害者の連絡先を知ることができないケースが多々あります。被害者の連絡先が分からなければ示談をすることは不可能です。
これに対して、弁護士が示談交渉を代理する場合には、弁護士が加害者に連絡先を伝えないと約束することを前提に、被害者が弁護士に限り連絡先の伝達を了承してくれることがあります。
つまり、弁護士に依頼することで示談交渉をすることができる可能性が高まるのです。

弁護士が間に入ることで冷静な交渉が可能となる

被害者と加害者という関係だと、やり取りがどうしても感情的になってしまいます。
その結果として、本来まとまるはずだった示談も揉めてしまうことがあります。
弁護士が介入することで冷静な示談交渉が可能となるので、感情的になって揉めてしまうことを回避できます。結果として、示談もまとまりやすくなります。

知識と経験と交渉力ある弁護士が交渉することでより有利な条件で示談できる可能性がある

弁護士は法律的知識と経験を兼ね備えている交渉のプロです。
そのため、当事者同士で示談交渉するよりも有利な条件で示談できる可能性があります。
具体的には、当事者同士で示談した場合に比較して示談金を低く抑えることができる可能性があります。

刑事事件の弁護士費用の相場

以上のように弁護士に依頼するメリットがある一方で、弁護士に依頼することで弁護士費用が発生します。刑事事件の弁護士費用の相場としては、事件の依頼時にかかる着手金が30万円ほど、示談成立時にかかる成功報酬が30万円ほどです。

以上のようなメリットとデメリットを踏まえて、弁護士に依頼するか否かを検討されるとよいでしょう。

刑事事件の示談金の相場

示談金は事案や犯罪を犯した方の資力にもよりますので、これといった基準外待っているわけではありません。
しかし、被害者の加害者に対する処罰の希望の程度、被害の程度(例:傷害罪においては、傷害の程度が大きいほど示談金が高くなる傾向があります)、加害者の経済力や社会的地位(加害者の社会的地位が大きいほど示談金が高くなる傾向があります)。

犯罪ごとの示談金の相場について

次は犯罪ごとの示談金の相場について解説していきます。もっとも示談金の金額は犯罪の態様や交渉の経緯などによって変わってくるので、あくまでご参考程度でご確認下さい。

痴漢(迷惑防止条例違反、強制わいせつ罪)
痴漢と一言でいっても、行為の態様によって迷惑防止条例違反に該当するか強制わいせつ罪に該当するか異なることとなります。行為の態様の悪質性が高いと強制わいせつ罪が成立することとなります。おおまかには以下の通りです。

・迷惑防止条例違反の場合(10万円〜50万円前後)
・強制わいせつ罪が成立する場合(30万円〜100万円前後)
・強姦罪(100万円〜200万円前後)
暴行罪(10万円〜30万円前後)
※基本的には、暴行によって受けた傷の治療費に応じます。
傷害罪(10万円〜100万円前後)
※基本的には、傷害行為によって受けた傷の治療費に応じます。
被害額が少額の詐欺罪・横領罪(被害額+30万円前後)

刑事事件の示談書の書き方

では、実際に示談書の書き方について書いていきます。一般的に記載すべき項目については以下の通りです。

事件の概要(争いの原因)
どのような行為に対して示談金を支払うのか
示談金の金額
示談金の支払い方法(誰が誰にどこで支払うのか)
賠償金の支払い時期示談金を支払った後の約束(被害者は犯罪の事実について口外しない、など)などを明記することとなります。

まとめ

今回は刑事事件の示談について解説していきました。何かお困りのことがあれば、弁護士にご相談されることをお勧めします。

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